碁や将棋で人工知能がプロ棋士を超えた理由

人工知能が一流のプロ棋士を負かすという一昔前では考えられなかったことが起こっています。
それどころか、今や人工知能は神の領域に近いとも言われ人間の追随を許さない勢いです。
これにはいくつかの理由があると言われています。

①思考の集中化
プロ棋士は強くなればなるほど、考える手のパターンは少なくなるといいます。
素人があれでもないこれでもないと考えているうちに、プロ棋士は有効なパターンに絞って考えているのです。
これと同じことを人工知能はできるようになりました。
以前の人工知能は考えられるすべての手を考えていましたが、最近では有効なパターンに絞っているというものです。

②膨大な対局数
碁の人工知能である「アルファ碁」は、アルファ碁同士の対局を重ねて有効な手を自ら発見するようになりました。
その数なんと3000万回!
とても人間にはこなせない数の対局を行っているのです。

③常識に囚われない打ち手
碁も将棋も人工知能は、いわゆる定石では考えられない手を打っています。
人間であれば「悪手」として最初から可能性は無いと考える手の中に、実は大変意味のあるものがあるわけです。
これにより碁や将棋の世界もこれまでの常識を見直す動きが出てきています。
人工知能により新たな発想を得る。碁や将棋の世界では数段進歩した人工知能との付き合い方が始まっていると言えます。