「急がば回れ」の語源の地を訪ねてみました

「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」
琵琶湖に矢橋の帰帆という場所があります。
江戸から歩いた道中も京都まであとわずか。矢橋という場所から琵琶湖を船で渡ると早いけれど、急ぐのなら瀬田の長橋を渡りなさいというこの歌から「急がば回れ」の格言ができたと言われています。
船で渡ると早いけれど、琵琶湖は波が荒れることも多く、出船まで待たされて結局は時間がかかったり、最悪の場合は船が沈没して命を落としたりということもあったようです。

私どもが行う苦情応対研修の中でも「急がば回れ」は大事ですよとお話をしています。
苦情を早く終わらせたいと思って解決を急ぐとかえって時間がかかってしまう。
腰をすえて話をじっくり聞いた方が解決はむしろ早くなる。
これは私自身が数多くの苦情応対を行ったうえでの経験則でもあります。
東海道本線の南草津駅近くの矢倉というところに、
「右、やばせ道」と書いた石の標識が残っています。
顧客応対を仕事にしている方の「聖地」みたいな場所だと私は思っているのですが、
ひっそりとした住宅街の中にあり、注意深く探さないと見つからないのが残念です。